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Twelve 1st Online Event「世界の入試問題にチャレンジ!」

2023年5月31日、TWELVEの記念すべき第1回オンラインイベントが開催されました。このイベントでは、さまざまな国の専門家が自国の大学入試の特徴や問題を紹介しました。プレゼンテーションとディスカッションを経て、試験の形式や難易度、各国の教育システムの興味深い違いについて貴重な情報を得ることができました。

この記事では、イベントのハイライトを紹介します!

 

1問につき2分まで!? 成績で難易度が変わる適応型テスト!
Begad – EmSAT(UAE)

 

ESE(公教育標準化)の専門家であるBegadさんは、EmSATの特徴である適応型テストの概念を紹介しました。適応型テストでは、問題の難易度が受験者の成績に基づいて上昇します。120分で60問を解かなければいけないため、ショートカットや選択肢を利用するテクニックが大切だと強調しました。また、EmSATではウェブサイト上の計算機アプリを使用できるそうです。質疑応答セッションでは、主催者である久保さん(日本)が日本の入試問題(1問につき30分〜1時間)を引き合いに出し、1問につき2分という時間設定がすごく短いと意見しました。

 

直感が大切! 大学ごとに内容が異なるデジタルテスト!
Adrian – IPN (メキシコ)

 

Adrianさんは、メキシコの大学で行われるデジタルテストについて発表しました。一部の大学はSAT(アメリカの統一テスト)を使用していますが、大半は独自の入試を行っているそうです。特定のセクションでは計算機の使用が許可され、科目は数学や物理、化学、生物、歴史、スペイン語など多岐にわたります。特に数学の図形問題では直感が必要になってくると説明しました。また質疑応答セッションでは、別解として紹介されていた中線定理について、「自分もメキシコ出身だが、それは習ったことが無かった。同じ国でも教え方が違っている。」とVanesaさんが驚きを示しました。

 

5時間ぶっ通し!? 戦略がカギを握る統一テスト!
Raphael – ENEM (ブラジル)

 

Raphaelさんは、ブラジルのENEM(全国試験)について説明しました。この試験は、難易度はそんな高くないですが、予備校がほとんど存在しないため自分で戦略を立てて学習することがカギを握ります。試験範囲は高校の学習内容を網羅し、数学、物理、化学、生物、歴史などが含まれます。その試験時間は驚異の5時間!質疑応答セッションでは、予備校について議論されました。日本には多くの予備校が存在し、生徒はそこで戦略を学習しますが、ブラジルでは自分で対策するのが一般的だそうです。

 

最難関のIITは合格率0.07%!?
難易度が高く制限時間も短い統一テスト!
Amit – JEE (インド)

 

Amitさんは、インドの工学分野におけるJEE(共通入試)について情報を共有しました。インドではAISSCE(インド教育委員会中等教育学校試験)のみ必須でありJEEは選択制ですが、多くの学生がトップ大学に進学するためにJEEを受験します。この試験の難易度は、高校レベルと大きく乖離しているため、高校卒業後1年間は準備をするのが一般的です。質疑応答セッションでは、Darylさん(マレーシア)がIITへの進学率がわずか0.07%であることに驚きを表明しました。また、これらの試験が学生たちにとって心理的につらいものになり得ることについても議論を交わされました。

 

 

このイベントでは、試験の形式や難易度が国によって大きく異なっていることがわかりました。また、各国の学生たちが試験にどのように備え、戦略を習得しているかも興味深い話題でした。第1回イベントは、異なる国の教育専門家が集まり、教育に関するグローバルな洞察を共有する貴重な機会となりました。

 

次回のイベントは7月26日を予定しています。TWELVEへの参加にご興味がございましたらこちらのページからお気軽にご連絡ください!

(注意:上記の内容はTWELVEのオンラインイベントの議事録に基づいています。発表内容や議論の一部が省略されている場合があります。)